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高圧電気とは?低圧との違いや契約方法を解説

高圧電力とは?

更新日:2026年7月25日

「高圧電気」という言葉を耳にしたことがあっても、具体的に何が違うのか、自社はどちらに該当するのか、よくわからないという方は多いのではないでしょうか。

実は、高圧電気と低圧電気では料金体系・契約手続き・安全管理の要件が大きく異なります。自社の電力契約の種別を正しく理解することは、コスト削減や安全管理の第一歩です。

この記事では、高圧電気の定義や特性から、低圧との違い、契約方法の流れ、電気代の削減方法、安全管理のポイントまで、事業者の実務担当者が知っておくべき内容をわかりやすく解説します。

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1. 高圧電気とは?定義と特性・利用分野

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高圧電気の定義

高圧電気とは、交流600Vを超え7,000V以下の電圧で供給される電力を指します。電気事業法において「高圧」と分類されており、一般家庭や小規模事業所に供給される低圧(交流600V以下)とは明確に区別されています。

実際の供給電圧は6,600V(公称6,000V)の三相3線式が全国標準です。この高い電圧のまま事業所内に引き込み、構内に設置した受変電設備(キュービクル)で100Vや200Vに降圧して使用します。

高圧電気はどんな事業所が使うのか

高圧電気は、契約電力が50kW以上〜2,000kW未満の事業所に適用されます。具体的には以下のような施設が該当します。

・中規模以上のオフィスビル・商業施設
・工場(製造設備・空調・照明を多数稼働)
・病院・大型クリニック
・ホテル・宿泊施設
・学校・大学などの教育機関
・スーパー・ドラッグストアなどの量販店

中小企業であっても、生産機械や空調・エレベーターなどで50kW以上の需要がある場合は高圧契約の対象となります。自社がどちらの区分に該当するかは、電気料金の検針票に記載されている「契約種別」を確認するのが最も確実です。

【確認ポイント】

敷地内にキュービクル(金属製の受変電設備)が設置されている場合、高圧以上の契約である可能性が高いです。検針票の「契約種別」欄に「高圧電力」と記載があれば高圧契約です。

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2. 高圧電気と低圧電気の違い

電圧・契約電力の違い

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電気料金の仕組みの違い

高圧電気の料金体系は、「基本料金(契約電力kW×単価)+電力量料金(使用量kWh×単価)」が基本です。低圧契約でも同様の構造ですが、高圧では以下の特徴があります。

デマンド制(最大需要電力制):過去1年間の最大使用電力(デマンド値)が契約電力の基準となり、基本料金を左右します

力率割引・割増:高圧契約では力率(電力の使用効率)に応じて料金が変動する制度があり、力率改善により最大15%の基本料金割引を受けられます

電力量単価が割安:大量調達による規模のメリットで、kWhあたりの単価が低圧より低くなる傾向があります

保安義務と電気主任技術者

低圧電気と高圧電気で大きく異なるのが安全管理の義務です。高圧電気を使用する事業所は、電気事業法に基づき電気主任技術者を選任し、設備の保安管理体制を整える必要があります。この義務は、自社社員が有資格者でない場合、外部の保安協会や電気保安法人に委託することで対応できます。

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3. 高圧電気の契約方法と手続きの流れ

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高圧電気の契約は、低圧に比べて手続きが複雑で、準備から開始まで1〜2か月程度かかることが一般的です。全体の流れを事前に把握しておくことで、スムーズに進めることができます。

Step 1:現在の契約状況を確認する

まず、現在の契約内容を整理します。検針票や契約書から、契約種別・契約電力・契約期間・解約違約金の有無を確認しましょう。契約期間中の解約には違約金が発生する場合があるため、更新月のタイミングに合わせて切り替えを検討するのが理想です。

Step 2:受変電設備(キュービクル)の準備

高圧電力を受電するには、事業所内にキュービクル(受変電設備)の設置が必要です。新規導入の場合は設備工事に数か月かかることもあるため、工事業者との事前調整は早めに行いましょう。すでに高圧契約を結んでいる既設設備がある場合は、この手順はスキップできます。

Step 3:電力会社・プランの比較・選定

複数の電力会社から見積もりを取得し、料金・契約条件・サポート体制を比較します。「高圧電力 法人 見積もり」などのキーワードで検索するか、エネルギーコンサルタントに相談することで、複数社の比較が効率よく行えます。

Step 4:電力会社への申し込みと書類提出

契約先が決まったら、申し込み手続きを行います。高圧契約では需給契約申込書への署名・捺印が必要なほか、場合によっては登記簿謄本・電気設備の単線結線図・負荷明細書の提出を求められることがあります。必要書類は電力会社から案内されますので、指示に従い漏れなく準備しましょう。

Step 5:受電開始・電気主任技術者の選任

書類手続きが完了し、設備の安全確認が終わると供給開始日が通知されます。同時に、電気事業法の要件を満たすため電気主任技術者の選任届を経済産業省の産業保安監督部に提出することが義務付けられています。社内に有資格者がいない場合は、外部の電気保安法人への委託手続きも並行して進めてください。

乗り換え時の注意点

現在の高圧契約から別の電力会社に乗り換える場合、旧契約の解約手続きは新しい電力会社が代行するのが一般的です。ただし、高圧では契約解除の通知期間(1〜3か月前の予告が必要なケース)が設けられている場合もあるため、現在の契約書を事前に確認することが重要です。

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4. 高圧電気のメリットとデメリット

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メリット

① 電気代の単価が低圧より割安になる

高圧電力は大量調達の恩恵を受けやすく、kWhあたりの料金単価が低圧より安くなる傾向があります。電力使用量が多い事業所ほどコスト差が大きくなるため、年間の電気代削減効果が数十万円〜数百万円規模になるケースもあります。

② 電力供給の安定性が高い

高圧受電では、構内に変電設備を持つため大容量の電力を安定的に供給できます。工場の大型機械や病院の医療設備など、安定電力が欠かせない用途で特に有利です。

③ 需要に応じた電力プランを選べる

高圧契約では、時間帯別料金・季節別料金・市場連動型プランなど、使用パターンに合わせた柔軟な料金プランを選択できます。夜間帯に電力を多く使う工場などでは、夜間割引プランで大幅なコスト削減が可能です。

デメリット

① 受変電設備の初期投資が必要

高圧電気の受電には、キュービクルなどの受変電設備の設置が必要です。新規設置の場合、数百万円規模の初期費用がかかることがあります。ただし、既存の設備がある事業所では追加投資は不要です。

② 保安管理の義務と継続コストが発生する

電気主任技術者の選任や、設備の定期点検・法定検査が義務付けられています。外部委託の場合、年間数十万円程度の保安管理費用が継続的に発生します。

③ 手続きが複雑で時間がかかる

前述のとおり、高圧契約の開始や乗り換えには複数の書類提出と行政手続きが伴います。低圧のように数日で切り替えができるわけではなく、余裕をもって1〜2か月前から準備を始める必要があります。

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5. 高圧電気の電気代削減方法

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高圧電気を契約している事業者にとって、電気代の削減は経営コストに直結する重要な課題です。効果的な削減方法を3つの観点から整理します。

① 基本料金の見直し:デマンド値の最適化

高圧契約の基本料金は、過去1年間の最大需要電力(デマンド値)によって決まります。デマンド値が1kW下がるだけで、年間の基本料金が数千〜数万円単位で変わることがあります。

ピーク電力を抑えるための対策としては、以下が有効です。

・大型設備の同時起動を避けるスタート時間のずらし
・デマンド監視装置の導入で使用量をリアルタイム制御
・空調・照明の運用ルール見直しによるピークカット


あるビル管理会社では、デマンド監視装置の導入により年間基本料金を約15%削減した事例もあります。

② 電力量料金の削減:プラン見直しと省エネ投資

現在の料金プランが自社の電力使用パターンに合っているかを確認しましょう。たとえば夜間の使用量が多い工場なら、昼夜で単価が異なる「時間帯別料金プラン」に切り替えるだけで、年間の電力量料金を大幅に下げられる可能性があります。

また、LED照明への切り替え・高効率空調の導入・インバータ制御の採用なども、長期的な電力量削減に効果的です。省エネ機器の導入に対しては補助金や助成金制度が活用できる場合もあり、初期投資の回収期間を短縮できます。

③ 電力会社の切り替え:競争入札・新電力への乗り換え

電力自由化以降、高圧電力の分野でも新電力会社が多数参入しており、料金競争が進んでいます。現在の契約が大手電力会社の標準プランのままであれば、新電力や市場連動型プランへの切り替えで年間数十万〜数百万円のコスト削減が実現できるケースがあります。

切り替えを検討する際は、以下のステップで進めましょう。

1,直近1年間の検針票を用意し、月別の使用量・デマンド値を整理する
2,複数の新電力から見積もりを取得し、年間総費用で比較する
3,契約期間・解約条件・サポート体制も含めて総合的に評価する

【削減事例】

あるホテルでは、大手電力会社の高圧プランから市場連動型の新電力プランに切り替えることで、年間電気代を約▲12%削減(約240万円のコスト低減)を実現しました。自社の使用パターンと市場価格の傾向が合致した好例です。

補助金・助成金の活用

省エネ機器の導入や高効率設備への更新には、国や地方自治体の補助金が活用できます。代表的なものとして「省エネルギー設備導入支援補助金」や「中小企業向け省エネ診断サービス(無料)」があります。コスト削減と設備更新を同時に進める際には、こうした制度も積極的に活用してください。

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6. 高圧電気の安全管理と法規制

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電気主任技術者の選任義務

高圧電気を自家用電気工作物として使用する事業所は、電気事業法第43条に基づき電気主任技術者を選任し、経済産業省の産業保安監督部に届け出る義務があります。電気主任技術者は、設備の保安監督・定期点検・事故発生時の対応指揮を行う責任者です。

社内に第三種電気主任技術者以上の有資格者がいない場合は、外部の電気保安法人や保安協会に保安業務を委託(外部委託)することで義務を果たすことができます。

法定点検の義務

高圧設備には、定期的な法定点検が義務付けられています。主な点検の種類は以下のとおりです。

月次点検:毎月、設備の外観・計器・運転状況を確認
年次点検(停電点検):年1回、設備を停電させて精密な電気試験・絶縁抵抗測定などを実施
精密点検:数年に1回、設備の解体・内部確認を伴う詳細点検

点検記録は一定期間の保存が義務付けられており、監督官庁から求められた際に提出できるよう適切に管理する必要があります。

法律違反のリスク

電気主任技術者の未選任や法定点検の未実施は、電気事業法違反となり、運用停止・行政処分・罰則の対象となります。また、高圧設備は電圧が高いため、誤った取り扱いは感電・火災などの重大事故に直結します。法令を守ること自体が、安全確保の第一歩と言えます。

安全対策の具体例

高圧設備を安全に管理するために、現場では以下のような対策が一般的です。

・個人用保護具(手袋・絶縁靴など)の着用徹底
・定期的な点検と管理記録の作成
・設備周辺への注意表示・立入禁止措置の設置
・従業員への安全教育(高圧電気取扱業務特別教育)の実施

中小規模の設備でも感電のリスクは同様に存在します。各事業所向けのガイドラインも多数公開されていますので、業種に合った安全対策を整備してください。

【管理体制と教育の重要性】

あるビルでは、高圧ケーブルの劣化を見逃していたため機器が停止し、復旧まで長時間を要した事例があります。定期点検の重要性や教育不足によるリスクを示す典型的な例であり、「管理体制と教育が安全を左右する」ことを物語っています。

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まとめ

高圧電気はコストと効率の両面で大きなメリットをもたらす一方、専門的な管理も求められる電力方式です。設備の状況や契約内容を正しく把握しながら、安全に活用できる体制を整えていきたいところです。事業の規模や目的に合わせて、最適な電力利用を進めていきましょう。

参照

e-Gov法令検索:電気事業法 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170

資源エネルギー庁:電気料金の仕組み https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/summary/

電力・ガス取引監視等委員会:電力取引の状況 https://www.egc.meti.go.jp/info/business/report/results.html

e-Gov法令検索:電気設備に関する技術基準を定める省令 https://laws.e-gov.go.jp/law/409M50000400052

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