1. お店のSDGs
  2. 未来を考えるコラム
  3. ZEBReady(ゼブ・レディ)の認証・取得の流れと最新の補助金情報【2025年版】

ZEBReady(ゼブ・レディ)の認証・取得の流れと最新の補助金情報【2025年版】

ZEBReady(ゼブ・レディ)とは?基本と段階的な認証制度

WP_baner_Landscape.jpg

更新日:2025年12月20日

ZEBReady(ゼブ・レディ)は、建築物のエネルギー効率を向上させるための基準のひとつであり、エネルギー消費量を大幅に削減することを目的としています。ZEB(ゼブ)には「NearlyZEB」「ZEBReady」「ZEBOriented」といった段階があり、それぞれ異なる削減基準が設けられています。近年、企業や自治体が脱炭素経営の一環としてZEBReadyの取得を進めており、補助金制度の活用も注目されています。本章では、ZEBReadyの定義や認証取得の流れ、段階的な評価基準について詳しく解説します。

ZEBReady(ゼブ・レディ)の定義と認証取得の流れ

ZEBReadyとは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」を目指す建築物の中でも、特に一定の省エネルギー基準を満たす建物に対して与えられる認証のひとつです。これは、建物の一次エネルギー消費量を大幅に削減することを目的とした制度であり、脱炭素社会の実現に向けた重要なステップとされています。

ZEBReadyの認証を取得するには、まず建築物の省エネ性能を客観的に評価する「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」による認証が前提となります。評価では、建築物の断熱性や日射遮蔽性能、高効率な空調・照明設備の導入、エネルギー管理システム(BEMS)の活用など、さまざまな要素が審査対象となります。

また、ZEBReadyの認証取得には、設計段階からのエネルギーシミュレーションや、省エネ技術の選定とその効果の明示、さらには運用段階におけるエネルギー管理体制の確立などが求められます。企業や自治体はこれらの条件をクリアするために、専門の設計士やエンジニアと連携し、建築計画を最適化することが一般的です。

ZEBシリーズの段階と100%省エネの基準

ZEBの認証制度には、エネルギー削減率に応じて複数の段階が設定されています。これにより、建物の省エネルギー達成度に応じた適切な評価が可能となっています。

具体的には、以下の4段階が存在します。
ZEBOriented(ゼブ・オリエンテッド):省エネ技術を導入しつつも、太陽光発電などの創エネを伴わない建築物が対象で、設計段階での省エネ指標を重視した区分。
ZEBReady:一次エネルギー消費量を基準値より50%以上削減している建築物。創エネ(太陽光発電など)の導入は必須ではありません。
Nearly ZEB(ニアリー・ゼブ):75%以上削減されており、創エネも一部導入されている建築物。
ZEB(ゼブ):100%削減を実現し、エネルギー収支が実質ゼロになっている建築物。省エネと創エネを高度に融合させている点が特徴です。

これらの区分は、建物の設計・施工・運用に関わるさまざまな関係者にとって、具体的な目標設定や進捗管理に役立ちます。ZEBReadyの認証を受けることで、その建物は社会的にも高い環境性能を持つと認められ、企業のESG経営や自治体の環境施策の一環としても高く評価されるようになります。

よくある質問とZEBReady(ゼブ・レディ)の現状

ZEBReadyに関する質問の多くは、「どのような設備を導入すれば認証が取れるのか」「初期コストはどれくらいかかるのか」「ランニングコストは抑えられるのか」といった実務的な内容に集中しています。特に中小企業や自治体では、補助金制度の適用範囲や、国や地方自治体が実施している支援制度に対する関心が高い傾向にあります。

また、ZEBReadyの認証を受けるには、建物のライフサイクル全体を見据えたエネルギー設計が必要です。断熱材の選定や気密性の確保、高効率の空調・換気システムの導入、BEMSの設置など、設計段階から総合的な検討が求められます。近年では、環境意識の高まりや脱炭素社会への移行を背景に、ZEBReadyの認証件数は着実に増加しています。特にオフィスビル、庁舎、教育施設、医療機関など、公共性の高い建築物において導入が進んでいます。

今後も、建物のエネルギー効率改善は企業価値や地域貢献の観点からますます重要性を増すと見られています。ZEBReadyは、単なる省エネ認証にとどまらず、持続可能な社会を実現するための“スタンダード”としての地位を築きつつあります。認証取得はコストだけでなく、ブランド価値の向上や入居者への安心感提供といったメリットもあり、多くの企業・自治体にとって戦略的な取り組みとなるでしょう。

WP_baner_Landscape.jpg

ZEBReady(ゼブ・レディ)導入のメリットと活用ポイント

ZEBReadyを導入することで、企業や自治体はエネルギーコストの削減や環境負荷の低減を実現できます。特に、長期的な視点での電気代削減や、環境配慮型経営の促進が大きなメリットとして挙げられます。また、近年では超高層ビルや工場などの大規模建築にもZEBReadyが採用されるケースが増えています。本章では、ZEBReady導入のメリットと活用のポイントを詳しく解説します。

企業がZEBReady(ゼブ・レディ)を取得するメリットと課題

ZEBReadyの認証を取得することは、企業にとって多くの利点をもたらします。第一に、一次エネルギー消費量の削減により、長期的な電力コストの抑制が可能となり、ランニングコストの最適化につながります。特に電力消費が多い製造業やサービス業では、この効果は顕著です。

さらに、環境に配慮した取り組みを明示することができるため、CSR(企業の社会的責任)やESG(環境・社会・ガバナンス)投資の観点からも、企業ブランドの価値向上につながります。環境対策が企業評価に組み込まれる今、ZEBReadyの取得は「選ばれる企業」となるための重要なアピールポイントとなっています。

一方で課題もあります。ZEBReadyの取得には、断熱材の強化や高効率機器の導入、エネルギー管理システムの構築といった初期投資が必要であり、コスト面での負担が懸念されます。また、設計段階から省エネを前提とした仕様を反映する必要があるため、建築計画の初期段階から専門家と連携し、詳細なエネルギーシミュレーションをおこなうことが求められます。そのため、導入前には補助金制度の活用や投資回収年数の試算などを通じて、実行可能性を精査することが成功の鍵となります。

ZEBReady(ゼブ・レディ)の導入事例(ガスファシリティーズ・OGFAなど)

ZEBReadyの導入は、業種や建物の用途を問わず広がりを見せています。特に代表的な事例として、大阪ガスファシリティーズ(OGFA)が挙げられます。同社は、エネルギー管理と建築技術を組み合わせた高度な省エネソリューションを提供し、多数のZEBReady対応建築の設計・施工を手掛けています。

たとえば、OGFAが手掛けたあるオフィスビルでは、高効率空調やLED照明の導入、断熱性に優れた外皮設計、BEMSによるエネルギー管理体制を組み合わせ、ZEBReady基準をクリア。結果として、従来比で50%以上の一次エネルギー削減に成功しました。

そのほかにも、自治体庁舎や教育施設、商業施設など、多様な建築物でZEBReadyの採用が進んでおり、国の補助金制度を活用することで、導入コストの圧縮と環境価値の両立を実現しています。これらの事例は、ZEBReadyが業種・用途を問わず汎用的に導入可能であることを示しており、今後の拡大も期待されています。

ZEBOrientedとの違いと使い分け

ZEBシリーズの中でも、ZEBReadyとZEBOrientedはしばしば混同されやすいですが、対象や目的に明確な違いがあります。

ZEBReadyは、基本的にオフィスビルや商業施設、工場など、汎用的な建築物に向けて設計されており、一次エネルギー消費量を50%以上削減したうえで、将来的にZEB(100%削減)を目指すための土台となる認証です。創エネ(太陽光発電など)の導入は任意であり、比較的導入ハードルが低い点も特徴です。

一方で、ZEB Orientedは、延べ床面積1万㎡以上の建築物であれば、オフィスや物流施設などの用途を問わず申請が可能です。もともとは、学校・病院・庁舎といった公共性の高い施設や特殊な運用条件を持つ建築物での導入が進められてきましたが、現在では民間施設への適用も広がっています。この区分では、創エネ(再エネ設備)を除いた段階での省エネ性能に重点が置かれており、建物の用途や運用特性に応じた柔軟な省エネ設計が可能です。たとえば、運用時間が限られる教育施設や、空調負荷の変動が大きい医療機関などでは、ZEB ReadyよりもZEB Orientedの方が現実的かつ合理的な選択となるケースもあります。

そのため、ZEB化を検討する際には、建物の用途・立地・エネルギー使用特性などを踏まえて、ZEBReadyとZEBOrientedを使い分けることが重要です。適切な区分を選ぶことで、省エネ効果の最大化とコスト効率の両立が可能になります。

WP_baner_Landscape.jpg

ZEBReady(ゼブ・レディ)の補助金と最新の制度情報

ZEBReadyの取得を進める際には、補助金や税制優遇制度の活用が重要なポイントとなります。国や自治体が提供する補助金を活用することで、初期投資の負担を軽減しつつ、省エネ建築を実現できます。また、ZEB関連の最新の政策動向を把握することで、より効率的に制度を活用できる可能性があります。本章では、ZEBReadyの取得に関する補助金制度の概要や申請方法、最新のトレンドについて詳しく解説します。

ZEBReady(ゼブ・レディ)取得に関する補助金制度と申請方法

ZEBReadyの取得を検討する企業や自治体にとって、補助金制度の活用は初期投資を抑え、事業の実行可能性を高めるうえで非常に有効です。中でも代表的なのが、国の委託を受けてSII(一般社団法人 環境共創イニシアチブ)が実施する「令和7年度 ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)実証事業」です。この制度では、ZEBReady以上の性能を持つ建築物の新築・改修計画に対して、設計費や設備導入費の一部を補助金として支給します。

補助金を受け取るには、建築計画の早い段階から省エネ設計を織り込み、「ZEBプランナー」として登録された専門事業者と連携して申請手続きをおこなう必要があります。主な提出書類には、省エネルギー削減量のシミュレーション結果、設計仕様書、費用明細書などが含まれ、採択後も施工段階でのエビデンス提出や完了報告など、厳格な管理が求められます。

申請の流れは以下の通りです:
①ZEBプランナーの選定と契約
②設計内容の決定と省エネシミュレーション
③SIIによる公募開始時期に合わせた申請書提出
④採択結果の通知
⑤工事着手・補助対象設備の導入
⑥事後報告と補助金交付

補助金の申請は、通常年に1回程度の公募が主流とされてきましたが、2025年度は一次・二次の2回公募(6月11日〜7月9日、8月29日〜9月26日)が予定されています。申請期間が限られているうえ、提出書類も多岐にわたるため、スケジュールを早めに確認し、余裕をもって準備を進めることが不可欠です。特にZEB化に向けた計画や設備投資は設計段階から申請要件に大きく影響するため、補助金制度の活用を視野に入れた初期設計が求められます。

2025年の補助金トレンドとSIIの取り組み

2025年は「カーボンニュートラル元年」ともいわれるように、ZEB普及を後押しする制度・支援がさらに拡充される見通しです。SIIはこれに先立ち、省エネ性能を持つ建築物への投資を促進する目的で、補助金制度の予算枠を増額し、補助対象の拡大や採択枠の見直しを進めています。

たとえば、従来は大規模オフィスや公共施設が中心だった対象が、中小企業の所有する中規模ビルや店舗などにも拡大されつつあります。また、ZEBReadyだけでなく、「ZEB Oriented」「Nearly ZEB」「ZEB」といった上位ランクへの移行を支援する枠組みも整備されつつあり、段階的なZEB化を図る企業にとっても追い風となっています。

加えて、ZEB関連の補助金は、環境省や国土交通省の省エネ推進事業、地方自治体の独自助成制度とも連携が進んでおり、複数の制度を組み合わせることで実質的な投資負担を大きく軽減することも可能です。企業はこれらの政策動向をタイムリーに把握し、戦略的に申請を進める必要があります。

Sustainable open Innovation Initiativeによる支援策

Sustainable Innovation Initiative(SII)は、国のZEB普及戦略の中核的な支援機関として、技術ガイドラインの策定や補助金の運営を担っています。同団体が提供する補助金は、建築物のZEB化をトータルに支援するものであり、資金支援だけでなく、導入事例の共有、技術導入に関するアドバイスなど、包括的な支援体制が整えられています。

SIIのサポートを最大限に活用するためには、まず「ZEBプランナー検索サイト」で信頼できる登録事業者を選定することが重要です。ZEBプランナーは、省エネ設計の実績と知見を持ち、SIIの評価基準を満たした専門家であり、補助金申請から実施支援までを一貫してサポートしてくれます。また、SIIの公式サイトでは、年度ごとの補助金公募情報や採択事例、申請マニュアルなどが随時更新されており、これらの情報を活用することで、企業はより確実かつ効率的にZEBReady取得を進めることができます。

SIIは単なる資金支援機関にとどまらず、「省エネ技術の社会実装」と「持続可能な建築の普及」において極めて重要な役割を果たしています。ZEBReady取得を検討するすべての事業者にとって、SIIとの連携は成功の鍵を握る存在と言えるでしょう。

WP_baner_Landscape.jpg

ZEBReady(ゼブ・レディ)導入のための戦略と設計ポイント

ZEBReadyを導入する際には、エネルギー効率を最大限に高める設計戦略や、適切な設備導入が不可欠です。特に、建築物の設計段階での省エネ対策や、運用時のエネルギー管理が成功のカギを握ります。また、今後のZEBReadyの市場動向を見据えた戦略的な導入が求められます。本章では、ZEBReady対応の設計ポイントや、成功事例をもとにした導入戦略について詳しく解説します。

ZEBReady(ゼブ・レディ)対応の設計ポイントとエネルギー管理

ZEBReadyを実現するためには、建築物の企画・設計段階から省エネルギーを前提とした戦略的な設計が不可欠です。具体的なポイントとして、まず外皮性能の強化が挙げられます。高性能な断熱材や高遮熱ガラスの導入により、外気の影響を最小限に抑える設計が求められます。これにより、冷暖房負荷を大幅に低減でき、空調設備の省エネ化につながります。

また、自然エネルギーの積極的活用も重要です。日射を考慮した建物の向きや庇(ひさし)による日射遮蔽、自然換気・採光を活かすパッシブデザインにより、照明や空調への依存度を下げることができます。加えて、太陽光発電や地中熱などの再生可能エネルギーを組み合わせることで、エネルギー自給率を高めることが可能になります。

さらに、建物の運用段階ではエネルギーマネジメントシステム(EMS)やBEMS(ビルエネルギー管理システム)の導入が必須です。これらのシステムにより、リアルタイムでのエネルギー使用状況を把握し、ピークカットや空調・照明の自動制御など、運用効率を最大限に高めることができます。データに基づいた継続的な運用改善をおこなうことで、ZEBReadyの効果を長期的に維持できる点が大きな強みです。

建築業界でのZEBReady(ゼブ・レディ)普及のための戦略

ZEBReadyの普及を本格的に推進していくには、建築業界全体の意識改革と具体的な支援体制の構築が不可欠です。まず、設計者や建築主への情報提供と教育の充実が求められます。ZEBReadyの設計基準や省エネ設備の仕様に関する技術的知識の普及が進めば、初期段階からの計画的導入がしやすくなります。

また、普及を後押しするのが補助金や減税制度の活用です。制度の存在を周知し、設計段階から予算に組み込むことができれば、コストへの懸念を払拭でき、より多くのプロジェクトがZEBReadyに取り組む土台ができます。さらに重要なのが、業界横断的な連携の強化です。建築設計事務所、施工会社、建材メーカー、空調・照明・制御システムメーカーなど、さまざまなプレイヤーがZEBReadyを共通目標として連携し、ワンストップで設計・施工・管理が行える体制を整えることが、導入の加速につながります。

企業としては、ZEBReadyの取得がもたらすブランディング効果、テナント誘致力の向上、長期的な運用コストの削減といった複合的なメリットを理解し、短期的な投資ではなく中長期的な経営戦略の一部としてZEB化を捉えることが求められます。

ZEBReady(ゼブ・レディ)の今後の展望と政策の影響

今後の日本におけるZEBReadyの普及は、国の政策方針と密接に連動して加速していくと見込まれています。政府は「2050年カーボンニュートラル」実現に向けて、建築物のエネルギー効率向上を最優先課題の一つとして掲げており、その一環としてZEB導入の義務化や補助強化を進めています。

例えば、「建築物省エネ法」の改正では、特定規模以上の新築建築物に対して省エネ基準への適合が義務づけられるほか、ZEB基準を上回る性能を持つ建物に対しては、補助率の引き上げや税制優遇といったインセンティブの導入が検討されています。さらに、民間企業の中でも、ESG経営やRE100といった脱炭素イニシアティブへの対応が進む中で、ZEBReadyの取得はグローバル競争力のある「環境配慮型企業」としての認知にもつながります。特に不動産業界では、ZEB性能を持つ物件が投資ファンドや機関投資家に評価され、資産価値の維持・向上に寄与するケースも増えてきました。

将来的には、ZEBReadyの認証はオフィスや公共施設にとどまらず、マンション、ホテル、物流倉庫、医療施設などにも広がり、“ZEBが当たり前”という社会の実現に近づくと予想されます。ZEBReadyは今後、日本の建築業界において持続可能性の象徴として定着し、政策・市場の両面から不可欠な存在となるでしょう。

WP_baner_Landscape.jpg

未来を考えるコラムの一覧へ